年末 屋久島大横断~Sea To Sea~(後編:うみ)

屋久島:12月

前回の続きです。

新高塚小屋での休憩をおえて、いよいよ宮之浦岳,永田岳,栗生岳を巡りに行きます。

こんな感じの岩がゴロゴロしてます。

天気は次第に下り坂。
やばいやばい急げ急げ。

手が被ってますが、道はこんな感じです。
アイス気味になったので、6本爪アイゼンを着用しました。

何もつけずに滑って尻もちつきながら降りてくる方もいましたが、
冬山なのでアイゼンは持っていったほうが、つまんないケガしなくてすみます。

ガスの切れ目から見える光景。
岩場とかはよく見ますが、大きな岩がドーンと転がっている光景は、はじめて見ました。
さすが巨石の島です。

でかい。

山頂のガスが取れてくれない。

一瞬晴れた隙にパシャ。

永田岳方面と、宮之浦岳,栗生岳方面の分岐地点です。
今夜の宿である鹿乃沢小屋は永田岳方面にあるので、いったんここにザックをデポします。
今だと不安なのでザックのデポはまずやりませんが、この頃はデポしてたんだなぁ。

14:00
ガスに包まれた宮之浦岳山頂に到着です。
展望とか無いです。

とりあえず昨夜精製した塩を置いときます。

ここで悩みます。

次の栗生岳まで往復すると40分くらいで、
今日の宿泊地の鹿乃沢小屋まで2時間30分。
現在14時なので、栗生岳まで往復しても17時過ぎに到着予定。
日没が17時30分なので、日没ギリギリになるなぁ。

この時点で周りに登山者はおらず、ガスで視界も悪くなってきてます。
更に鹿乃沢小屋方面は、ほとんど人が立ち寄らないエリアです。
全然土地勘無いし、万が一のことを考えると、時間的余裕が無いのが不安になってきたので、
栗生岳登頂は断念することにしました。

三岳巡りできないのは非常に心残りですが、今回の目的はSea To Sea!
無事に海岸にたどり着けてこそです。
そうときまれば 、一目散に鹿乃沢小屋を目指します。

慎重に急げ急げ。

岩をよじ登る。

15:30
永田岳山頂に到着です。
滞在時間5秒くらいで、小屋を目指します。

よし、後は下って行くだけだ!
地面を良く見ると、なんか新しいトレースがあるぞ。
もしかして、先行者居るのかな?と思いつつ、下ってきます。

写真残っていないですが、多分17時頃に到着。
小屋の中に入ると、なんと先行者が!
鹿乃沢小屋は完全に避難小屋って感じで、更に誰も居ないと思っていたので、
今夜も恐怖に震える覚悟だったので、一安心です。

しかもその方は単独の女性で、僕と同じく屋久島横断中のこと。
一昨日は白谷山荘に泊ったそうで、ノートに書いてあった3名のうちの一人でした。
女性一人で屋久島横断。ガッツが違います。

こんな誰も居ないところで男と二人とか嫌だろうなぁと思いながら、
微妙に気を使ってさっさと寝ます。

2017年12月31日:鹿乃沢小屋~花山歩道~大川

7:00下山開始。
がっつり雪降っている中、花山歩道経由で大川を目指します。

花山”歩道”って言いますが、普通の登山道です。
人もあまり通らないので、踏み後も少ないですが、
地元の方?がピンクリボンを巻いてくれているので、
何となく道はわかります。ありがたいことです。

夏はヒルがたくさんいるそうですが、今は冬。
ヒルにはおびえなくていいのは快適です。道わかんねえけどな!

小屋で一緒だった女性と、何となく一緒に下山することになりました。
実はモバイルバッテリーが不調で、この時点でスマホの充電が無くなりかけていました。
ここから先はピンクリボンがあるとはいえ、道がわかりにくいと評判な道。
わたりに船とご一緒させて貰いました。
あの時はありがとうございました。

今日のコースタイムは8時間。
大川の滝からの最終路線バスの時刻が15時30分頃なので、結構シビア。
道迷いすると時間ロスしてしまうので、ルートファインディング能力を試されます。
自慢じゃないですが、僕は方向音痴で、頼りのGPSも電池無くほとんど使えない状態。
同行させて貰った女性におんぶにだっこです。

自然豊かな森の中を進んでいきます。
ガスってて視界は悪いですが、それが原生林の神秘的さを
更にあげてて素敵。

でっかい杉も間近に見られます。

倒木を乗り越えて黙々と進んでいく。

何となく植生が変わったなぁと思ったら

花山歩道入口に到着です。
小屋を出てから6時間。すげえ長かった。
そしてこの旅のゴールである海を目指して林道を歩いて行きます。

まぁ見ちゃうよね。

2時間くらい歩いて、やっと林道が終了です。
海は目の前だ!

歩道出てまっすぐ進んでも降りられる場所がないので、
大川の滝方面に移動します。

長かった旅ももう終わりです。

海抜0mから宮之浦岳標高1,936m、そしてまた海抜0mに戻ってきました!
屋久島横断達成です!

この時が初めての2泊3日の山行で、しかも冬山。
結構疲れきっていて、達成感より正直、早く風呂入りたい、布団で眠りたいという気持ちでした。
疲れ切った中、バスに乗り込んでうとうとしていると、
バスの運転手さんからどこで降りるかを聞かれ、答えると起こすのでそこまで寝てていいですよとの
有りがたいお言葉。
たった3日間ですが、人里に降りてきた!って感じがして、ちょっと感動しました。

その後

宿はバスの中で適当に予約したんですが、

田中陽希さんが泊られていたようです。
前に一度、10月の穂高ですれ違ったことがありますが、オーラが出てました。

下山後の楽しみはまともな食事!
屋久島ついて速攻山籠りだったので、お金を使ったのは、ガス缶とバス代と宿代だけ。
経済に全く貢献していないので、いっちょ飲み行くか!と街に歩いて行きましたが、

ええ、どこも営業してません。大晦日だしね・・・。

イルミネーションを見ながら、
正月に実家も帰らず何やってんだろ。最近、ろくな年末年始過ごしてないなぁと反省。

その次の年末は、北海道で一人正月を迎えるのですが。

どこもお店やってないので、ちょっと離れたAコープに行きましたが、そこは大晦日。
もうなんにも無かったです。
惣菜のコロッケと唐揚げを買って、とぼとぼと宿に戻り、不貞寝を決め込みました。
そんな2017年の締めでした。
おしまい。

2018年の日の出は屋久島で迎えました。ちなみに2019年の日の出は知床だったので、
2020年はどこに行くのかな?

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