キリマンジャロ登山顛末記~マチャメルート敗退~その4

キリマンジャロ

キリマンジャロ登山3日目(日本から4日目)

登山開始3日目の朝。体調は悪くなる一方です。

猛烈に頭が痛い。

富士山で体調悪そうになってる人の気持ちがわかりませんでしたが、
高山病ってこんなにやばいのか。
食べられるのはフルーツと、

日本から持ってきたお茶漬けをポリッジに入れて食べる。
梅がめっちゃうまく感じる。

こういう重いのは無理。
卵だけ食べた気がする。

さぁ出発です。
今日は4600メートルまで登り高度順応してから、いったん標高を落とす予定。

標高4000メートルを突破。
比例して悪くなる体調。

ずっと見守ってくれるメルー山。
多分、キリマンジャロより見てる気がする。

初日はぐいぐい追い越して登ったポーター達に
ぐいぐい追い越されていく。やっぱタフだ。

まさに今の自分の状況を表す高度。

標高4600メートルのラーバタワーに到着。
結果的にここが自分の最高地点でした。

写真のこの肩の下がり具合ときたら。
白人のご婦人に「もっと胸を張って写真撮った方がよいよ」と言われるが、
無理です。
あと、何で言ってることわかったんだろう。

このうなだれよう。国旗が泣いてます。
そして体の芯からガタガタしだして、低体温症の兆候も発生。
食べてカロリーとらなきゃ!と思うも、お昼ご飯がのどを通らず、果物だけ食べてました。
弁当はチキンで美味しそうだったんだけどなぁ。


多分この地名の由来になったやつだと思います。
この辺は岩々してて、遠くで落石も発生していました。
落石が発生したとき、周りの人が「ラーク!ラーク!」って叫んでて、
あぁ登山業界は共通語なんだぁって思いましたが、
よく考えると「Rock!Rock!」って言ってたことに気づきました。
思考能力が絶賛低下中。

体を高度に慣らしたら(慣れてない)、いったん標高を落とします。
今日のキャンプ地は標高3950mのバランコキャンプです。

ただ下るだけなのにめっちゃきつい。
筋力的には全く余裕なのですが、呼吸ができない。
絶対的に酸素が足りてないのがわかる。
ガイドに何回「プリーズウェイト」って言ったのかわかんなくなるくらい
休憩を繰り返していました。

もはやガイドの白いザックカバーを見て歩くだけのゾンビです。

バランコキャンプに到着。
漂う悲壮感。
4600メートルまで上がったことで、一気に悪化した感じがあります。

テントが設営されたら倒れるように休憩。
だいたい寝てました。

夕食。
このソース、野菜風味しかなくてとても嫌いでした。
結局パスタには日本から持って行ったあえる系のソースかけて食べてました。

キリマンジャロ登山4日目(日本から5日目)

晴れ渡るいい天気。
体調は最低です。

いざ出発。

ちっちゃく人が映っていますが、今日は壁の様な岩を登っていきます。
見た目は圧倒されて、「この体調で登ったら落ちんじゃね?」って思いますが、
実際には道ができているので余裕です。

こんな感じ。普通の岩場です。

もはやまっすぐ写真を撮ることすらできない
青空が憎い。

他の写真もこんな感じで指が映りこんでいるので、
もう映りの確認すらできない状況だったと思います。

奇跡の1枚。
山頂はすぐそこに見えます。

フラフラのボロボロになりながらキャンプ地に到着。

もう杖がなかったら立てない状態です。
2本持って行ってよかった。

「助けてガイドさん~」

「はい、酸素ボンベ」

酸素を吸うおっさん。
無臭でした。

ボンベを持たされて写真を撮られる。
給仕してくれるポーターも自分のスマホで写真撮ってました。
多分、タンザニアのフェイスブック的なやつにアップロードされていると思います。

酸素のおかげでSPO2が10%も回復したよ!
どう見ても致命傷です。

頭痛もひどく、バファリンじゃ効かないレベル。
普通の頭痛って、後頭部の表面がガンガン痛くなるんですが、
この痛みは脳幹からガンガン響いてくる、今までに経験したことない傷み方。

この時、ちょっとでも動くと息がぜえぜえして、
少しだけ斜面の上にあるトイレにすらたどり着けませんでした。
その時見た月が

OLYMPUS DIGITAL CAMER

こんな感じの欠け方の月で、日本じゃない場所にいる強い実感と、
少し動くとゼエゼエする異常な体調で、
遠い地で死ぬんじゃないかなと猛烈な不安感に襲われました。

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