前回の続き
2019年2月4日 七丈小屋 (七丈小屋~甲斐駒ケ岳山頂~黒戸尾根登山口)
夜。
暑い。暑すぎる。
ストーブに一晩分の給油をして貰っていたので、小屋内の気温は雪山と思えないくらい高い。
当然、テント泊想定の格好では超暑い。
しかもストーブの真横に寝てたので尚更です。
23時頃、汗びっしょりで目が覚めてしまったので、
ズボンとかダウンとか脱ぎ、禁断の睡眠薬で強制的に寝ました。
5:30 出発です。
事前情報通り、トレースはバッチリ。
アイゼンだけで登って行けます。
夜明けも近い。
この剣、抜けるのかなと思ったらがっちり固定されていました。
なんかどっかで抜いている剣を構えた写真を見た記憶があったのですが・・・。
6:10 八合目御来迎場に到着。
この日の日の出は6:20頃だったので、待っても良かったのですが
先が長いので進めるだけ進みます。
富士山とオベリクス。
天気は快晴です。
結構な斜度を越えるのに気を取られてて、ご来光が完全に頭から抜けてました。
信頼できるトレースがあるって素晴らしいです。
ドドン。右上に2本の剣が刺さっているのが見えます(写真じゃ見えない)。
ここが後半戦で一番の難所。
かなりの急斜面を登って行きます。
足の踏み場を間違えたら、そのまま滑り台のように下まで真っ逆さまは間違いなし。
慎重にルートを選んで登りました。
なので写真がない・・・。
ここはほんとに危険です。
事前情報とトレース無かったら、”このルート間違いだろ”と思います。
最大の難所を乗り切って、山頂が目前に!
6:45 9合目に到着。目指す山頂はもうすぐ。
あと少し!
ここからはビクトリーラインだ!
7:10 甲斐駒ケ岳山頂に到着!
仙丈ケ岳もバッチリ見えます。
雪が少ないのは残念ですが、天気は最高。
最高のタイミングで登頂することができました!
さて、下山開始です。
がっつり下って行きます。
こうしてみると結構急だったんだな・・・。
遠くに見えるは八ヶ岳かな?
雪がほとんどついていない・・・。
そして戻って来ました。一番の難所。
滑落しないように慎重にルートファインディング。
僕の写真力では伝わらないですが、ほんと怖いです。
冬の下山時に死亡事故が起きやすい場所だそうですが、
それも納得です。
日中で雪がぐずぐずに溶けた状態でなんて、絶対に通りたくないです。
昨日登らなくて良かった・・・。
やっと終わったと思ったら、なんかすっごく疲れてしまいました。
いったん七丈小屋に戻り、デポした荷物をまとめて、下山開始です。
たった4時間くらい、しかも軽装ででしか行動していませんが、
体力の残りゲージは半分以下。
つらいよーつらいよーと呟きながら下山していきます。
アイゼン無かったら登れないし下れない階段。
足滑らせたら、ドリフばりに滑っていきそう。
髭面は思う。
山男のイメージって、髭面ゴリラじゃないですか?(偏見)
そして今の自分は髭面。
一見、ベテランの山男に見えるのかな?
結構道を譲ってもらえるんですよね。
でもこっちはバテバテ。
口の中からエクトプラズムが出そうな状態。
さっきからきついよーつかれたよー と独り言を繰り返しています。
譲って貰ったら、がんばって下って行って、
その先でアイゼンとかちょっといじって、
「アイゼンバンド緩んだかなぁ」な感じを演出して、
相手を先に行かせる作戦を繰り返します。
そして気付きました。
山で髭を生やしてよいのは、強い人だけだと。
冬は髭を伸ばさない。そう心に誓いました。
刃渡りまで戻ってきました。
ここでソロでテント泊してた女性にも追い抜かれました。
下山開始したの、圧倒的に僕方が早かったんですが、
やっぱ冬山来る人達はレベルが違う・・・。
僕も体力に自信がある方ではありませんが、
それでも新穂高~南岳~奥穂高まで、
テント担いで13時間通せるくらいは頑張れます。
でも、冬山だと誰かを抜くってことは無く、いつも抜かれてばかり。
やっぱり根本的に体力不足なのかなぁ。
そんなことを考えながら、ふらふらと歩いてます。
ま、街が見えてきた・・・。
もう雪も氷も無いしと思い、アイゼンを外したら、
なんかつるっつるの道が出てくるし。
3mくらい頑張りましたが、滑って3回くらい転んだので、
諦めてチェーンスパイクをつけました。
土の上を歩いて行くと、
橋がみえたぞー。あとすこしだー。
14:00 甲斐駒ケ岳登山口に戻ってきました。
いやぁ長かった。ほんとに長かった。
普段、ジュースとか飲まないですが、
ぷるぷる震えながら自販機で買った、三ツ矢サイダーの美味しいこと。
後半はやられながらも、厳冬期甲斐駒ヶ岳への挑戦は無事終了しました。
もう雪山も終わりだし、次はどこ行こうかな。
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