2019年2月23日~24日:甲斐駒ケ岳(2,967m)
前回の常念岳に引き続き、今冬の目標だった甲斐駒ケ岳に挑戦してきました。
厳冬期の南アルプス。
そこは髭もじゃゴリラ体型なおっさんが集まる場所。
すれ違う時も挨拶なんて無しか、「ッス」と短く。
そんな偏見だらけのイメージが本当かどうか、
確かめに行くことにしました。
今年は積雪が少ないとの情報だったので、
スノーシューではなくワカンを選択。
つるつるアイスバーンを警戒して、アイゼンの他にチェーンアイゼンも持参。
テントはクロスーバードームにするかと思ってたら・・・どこを探してもポールが出てこない。
前回の常念岳で落としたことが発覚。
急遽、ステラリッジ2を引っ張り出してきてパッキング。
結果、総重量20キロとなりました。
冬山だと当たり前の重量ですが、やっぱ重いです。
2019年2月3日 尾白川渓谷 (黒戸尾根登山口)
修行の道として名高い黒戸尾根。日本三大急登の一つです。
そこを厳冬期に挑戦するということで、月火水はお酒控えめ。
木金は禁酒というストイックさ。(基本毎日飲む人です。)
6:00 出発です。
事前情報通り雪は無し。何もつけずに歩いて行きます。
道はこんな感じで深くV字型にえぐれており、
昔から人が歩いている道なんだなぁと感じさせられます。
標高1400メートル地点で、ちらほらとアイスバーンが出てきたので、チェーンスパイクを装着。
がっつり凍ってますが、チェーンスパイクで無事通過。
地面の露出が少なくなってきたので、1600メートル地点でアイゼンに切り替えます。
と思ったら、また地面。
やはり今年はかなり雪が少ないです。
この週前半には雨が降ったそうで、がちがちアイスバーンな箇所がちらほらあります。
アイゼンってすごーい。
雪と氷と岩のミックスを乗り越えて行くと
視界が開けて、鳳凰三山とその後ろには富士山も見えます。
そして甲斐駒ケ岳で視界が開ける箇所、そこは
刃渡りです。
雪がついておらず岩むき出しなので、アイゼンだと歩きづらい。
ひっかけないように慎重にパスしています。
危険個所ではありますが、しっかり鎖がついているので特段怖くはないです。
こんな感じで凍ってたら絶対嫌ですが。
日当たりいいので、凍結は大丈夫そうです。
梯子場ゾーンに突入です。
積雪量によってはロープが見えないこともあるそうですが、
むき出しです。アイゼンで梯子通ると傷つくので、ゆっくり登って行きます。
がっつり梯子を登って行くと、
刀利天狗に到着。
黒戸尾根が終わりです。
日本三大急登というわりには、そこまで辛くはなかったです。
禁酒のおかげかしら。
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ここまで悩んでいました。
この感じだと、テント場も雪無さそう。
折角の雪山なのに、土見えてるテント場に張っても楽しくない。
あと、七丈小屋って有名なクライマーである花谷さんがやってるんだよなぁ。
一度見てみたいし、小屋泊っちゃうか?
ということで、小屋に泊れるか電話してみたら、OKを頂きました。
(小屋に泊る場合はもっと早く電話しておきましょう)
折角なので食事付きにしたので、テント泊装備+食料が完全に無駄ですが、
ぬくぬくな小屋で寝られるので我慢です。
雪ががっつり出てきました。
テント泊やめたの、決断が早かったんじゃね?と思いつつ、
分厚い氷の上を下って行くと
五合目小屋跡に到着です。
ここまでいったん下ったので、登り返しが始まります。
ここからも梯子が続きます。一段ずつ慎重に登って行きます。
相変わらずのアイスバーンっぷり。
こんな所で足を滑らせたら、大変なことになるな。
橋を渡ると、
垂直な梯子!
でも登りやすいようにロープついているので、特に問題ないです。
このロープ、いい感じのこぶでかなり登りやすいです。
そして登りきった後に現れるこの鎖場。
ここが前半戦で一番難易度高い場所でした。
どうやって足かければいいのか、30秒くらい悩みます。
悩んだ結果の結論は、
ファイトー!いっぱーつ!!
腕の力で乗り切ります。
最後の登りをがんばると、
12:40 七丈小屋に到着です。
何で看板を下におろしているんだろう。
道場破り対応なんだろうか。
今夜は第二小屋です。
食事付きだったので第一小屋かな?と思ってましたが、
それなりにお客さんがいるようです。
中はこんな感じ。
8組の布団で割り当てられたのが8番だったので、
一番最後の客だったようです。
真横にストーブがあって意外といい場所でした。
この時点で到着しているのは僕一人だけ。
山頂までは往復4時間のコースタイムですが、
現在の時刻は13時。ぎりぎり17時には戻ってこれる計算です。
ただ今回は食事付きの小屋泊ということで、
遅くなっても迷惑になるので、山頂アタックは翌日にしました。
トイレは外にあります。
近いので第二小屋のが便利かな?
小屋の中はドコモがぎりぎり入るので、
ポチポチスマホいじって時間つぶし。
そして17時に夕食です。
山小屋で食べるのって、何気に初めてです。
いつもアルファ化米雑炊ばっかりなので、カレーがとても美味しくて
3杯もおかわりしちゃいました。
食後は他の宿泊客と団らん。
冬のテント泊だと皆引きこもるので、
他の人と話す事なんて無く、新鮮です。
っていうか髭もじゃゴリラいねーし。
髭生やしてるの俺だけじゃん!
爽やかイケメンの花谷さんと、髭もじゃ餓鬼体型の僕。悲しくなります。
しかし皆さん見た目は普通ですが、やっぱり冬の南アルプスに来る人たちはレベルが違います。
アイスクライマーだったり、沢屋だったり、
どこか突き抜けていて、色々ためになる情報を貰えました。
隣のテーブルの女性陣は、
花谷さんのガイドツアーで登ってこられたそうで、
昨日小屋まで登り、今日山頂に登って、明日降りられるそうです。
山頂までの情報を聞くと、ワカンはいらないレベルとのこと。
花谷さん曰く、小屋にデポしてっていいよとのことで、
有難く要らない荷物は置かせて貰うことにしました。
テントとかテントとかね。あとシュラフ。
20時消灯です。
明日に備えてお休みなさい。
あ、テン場はがっつり雪ありました。
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