前回の続きです。
雪山恒例行事。雪を溶かして水を作ろうとした時、悲劇は起こりました。
ジェットボイルに雪を入れ、バルブをひねってイグナイターを押すと・・・
火が付かねぇ。
い、イグナイターの故障かな?ライターで付ければ・・・
火が付かねぇ。
ガスの噴出口に耳を澄ませば・・・ガスがほとんど出とらんです。
そうだ!思い起こせば前回、マイナス11度の北海道で使った時、火力凄く弱かったよな・・・。
あの時は寒かったので、プロパン成分を先に使い切ったのかと思い、ガス缶を買い換えて安心してた。
その後、ちゃんと点火するか確かめもせず。
ここは冬山。しかも冬季営業の山小屋が無い山域。
当然水場なんて無く、雪を溶かすしか、水を得る方法はありません。
幕営適地とはありますが、あたりを見回せど、ラッセル王(勝手に命名)は見当たらない。
この先の石室まで進んでいる様子(どんだけ強い人なんだろ)。
ストーブを借りることもできないので、
なんとかこのジェットボイルを直すしかありません。
バイク旅でも愛用している、レザーマンチャージでこのピンを抜くと、五徳とバーナー部が分離できました。
これはマイクロモで、サーモレギュレーター付きのモデルです。
バルブを最大にひねり、ガス取り付け口に口をつけ、全力で息を吹いてもほとんど通らない。
サーモレギュレーターが不調なのは確かだと思うのですが、調整方法がわからない。
ふと、シールを剥がすと
なんかイモネジが出てきた。ここを捻れば・・・六角レンチなんてありません。
レーザーマンのマイナスドライバーでグリグリやってみましたが、
まぁ舐めちゃうよね。
でも火がつかないことには水ができず、水がないことには生きていけません。命のピンチです。
イメージ的には、サーモレギュレーターの中で、グリス的なものが詰まっているのかなと思ったので、
駄目もとであぶったり、叩いたりしてみました。
でも、詰まりは解消できません。
ただ、バルブ全開だとうっすらガスが流れる音はするので、
そのまま火をつけたらどうなるんだろと、ヤケッパチで着火すると
火がついたぞおおぉぉ!
この時の嬉しさと言ったら・・・。
理科の実験で使う、アルコールランプより弱い炎ですが、何とか着火しました。
明日の常念岳アタックに向けて、ここで希望が生まれました。
ただ不安定な状況なので、以下の条件がそろった場合は、アタック続行。
揃わなかったら下山することに決めました。
- ①空腹でないこと
- ②寒くて寝不足でないこと
- ③水を1.5リットル生成できること
①元々3泊分の食料を持ってきており、
行動食のエナジーバーや、おつまみ用のカルパスが余分にあったので
水を使わなくても、何とかカロリーを摂取することはできました。
②
テント内でマイナス4度と割と温かく、高温カイロも3個投入したので、
寒くて寝れないということはありませんでした。
高温カイロ、おすすめです。
問題の③
こんな感じで、何とか水を作る事ができます。
ただ、結局1.5リットル作るのに4時間かかったので、相当効率は悪いです。
ゴトク無いので、手でずっと持ってなきゃいけないので疲れる。
水が1.5リットルできた時点で、ガスは半分くらい残っていました。
これで次の日は常念岳山頂にアタックだけにして、
最悪もう1泊して、3日目に下山するプランが成り立ちます。
よって2019年2月3日、常念岳山頂に向けてのアタックが決定しました。
いざ、厳冬期の北アルプスに向けて!
コメント