前回の続きです。
2019年2月4日 東尾根2200メートル地点
6:00に起床。
ほんとは温かいラーメンでも食べたいのですが、
余分な水が無いので我慢して、エナジーバーをモソモソと食べる。
貴重な水を山専ボトルとアルパインサーモボトルにそれぞれ500mlずつ入れて、準備OK。
6:42 常念岳アタック開始です。
昨日から先行して頂いてラッセル王の他に、朝方入った方もいるようでトレースばっちり。
今日もトレース泥棒です。
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最後の樹林帯をかき分けて進みます。
枝がバシバシ顔にあたって痛い。
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朝日に染まる常念岳(と思ってました)
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遠くにはうっすらと富士山。
今年初富士山。2019年は何回見ることができるかな。
岩場手前でスノーシューとストックをデポして、アイゼン+ピッケル装備。
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水は節約気味で登って行きます。
このまままっすぐ行ったところが常念岳だと思ってましたが、
どう見ても右側の方が高いように見えます。
もしかして右側が常念岳なのか・・・?
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うーん、ここからみるとやっぱ左側の方が高いように見える。
その手前の出っ張りが前常念岳なんだろうか?
疲れているので、希望的観測です。
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何とか前常念岳を突破!常念岳までもう少しだね!
・・・うすうす気づいていたけど、ここ前常念じゃない。
この先に見えているのが前常念だ!
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急な登り。滑落したら終わりだなと思いながら、
アイゼンとピッケルをしっかり効かせて登っていく。
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アイゼンつけた状態での岩場。
ここは滑り落ちる心配がないので意外と安心でした。
この辺りで下山してくる人と遭遇。
まさかと思い聞いてみると、やはりずっとトレースをつけてくれていたラッセル王でした。
なんでも昨日のうちに石室まで進まれたとのこと。
ぱないっす。そしてありがとうございました。
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そして見えてくる穂高。
この景色を見るためにここまでやってきました。
昨夜のジェットボイル騒動で、正直諦めようかなと思ってましたが、来て良かった。
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前常念岳に到着。
ここで今朝登ってきた人と遭遇。
「常念岳までどれくらいですかね?」と聞くと、
「すぐですよ!」とのこと。
一瞬浮かれるが、
「40分~1時間くらい」ですかね。と追い打ち。
出発から3時間経過して、 前常念岳到着が10時くらい。
常念岳まで往復すると2時間。15時には幕営地点に戻れそうです。
この時点で結構辛かったですが、何とか先に進むことに。
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少しずつ歩きながらピークを目指す。
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正直、とても辛い・・・。
あ、あともう少しで常念岳山頂だ・・・。
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常念岳山頂が姿を現しました。
![](https://yuin.info/wp-content/uploads/2019/02/DSC_2828-1024x576.jpg)
山頂へのビクトリーロード。
でもこの時点でかなりへばっており、5歩進んで休憩を繰り返しながら
ゆっくり、ゆっくりと登っていく。
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なんか雲行き悪くね?
でも、遠くに見えるのは槍ヶ岳。
元気を貰いながら少しずつ登って行き、
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ようやく頂上に到着。
厳冬期の北アルプス登頂です!!
良く頑張った。
ただ息はゼエゼエ、心臓はバクバク。
そして天気は悪化傾向。
一目散に幕営地点を目指します。
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天気はどんどん悪くなっていい。そしてまた遠くに見える槍ヶ岳。
2017年に初めて登った時は、
まさか冬の槍ヶ岳を見ることになるとは思ってなかったなぁ。
単独行だし、冬の槍ヶ岳に登るのは無理だろうなぁとは思いつつ、
そのうち登りに行きそうなのがちょっと怖い。
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下山を開始すると、息切れもなくなり、登りのペースがウソのように
休憩することなく降りて行けます。
でも、登りで急だった所は、下りは更に難易度があがっており、
滑り落ちないように必死です。
今、この山頂に居るのは自分だけなので、落ちたら終わり。
しかも風も強くなってきました。
斜面側を向かないと下れない箇所もあり、慎重にアイゼンとピッケルで降りて行きます。
実はこの翌週、帰省して生まれたばかりの甥っ子に会う予定があり、
こんなところで滑落してられません。
おじさんがんばるよ。
なんとか樹林帯まで戻って一安心。
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幕営地点に戻ってきたのが13時。
思ったより早く着いたし、風も強くなってきており、
雪も降ってきているので、少しでも標高を下げておこうとテント撤収決定。
上手くいけばそのまま下山を狙います
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登りはゼエゼエ行ってた所も下りはすいすい。
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街が見えてきました。
ただ体力が限界に近付いており、辛い。とても辛い。
そして1800メートル付近から雪があられに変わってきました。
とうとう鉄塔の付近ではあられが雨に変わります。
厳冬期はどこ行った。
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ぬれ鼠状態でパシャリ。
退屈な林道歩きのスタートです。
まだバイクにスパイクタイヤ付けたままだったので、こっそりバイクでくればよかった。
ふらふらと、ゾンビのように歩きながら、
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17:30。なんとか完全に暗くなる前に出発地点に到着。
本日の行動時間は約11時間。すっごく疲れた・・・。
この後ほりでー湯に入り、食堂でかつ丼を食べたところ、
ずっとエナジーバー生活だったからか、ものすごく胃もたれしました。
厳冬期の北アルプスの山々を見ることができて、
頑張って登ったかいがありました。
常念岳のピークもかっこよくて、諦めずに登って良かったです。
そして道具は使用前に点検しましょう。
あと、冬は予備のバーナーを持っていこう。そう誓いました。
次の目標は黒戸尾根からの甲斐駒ケ岳。がんばります。
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